ゴールドマン・サックス社債/国際分散投資戦略ファンドの評価

(2018年11月時点)

社債に投資する部分と国際分散投資をする部分の2つを合体させた投資信託。社債の利金は全て運用側に信託報酬として納め、国際分散投資で得たリターンの10%も成功報酬として納める。そんな事をしなくても普通に信託報酬を取れば良いだけなのに、不思議に感じる。本質的なところは、超低リスク超低リターンの投資信託であり、定期預金に入れておくよりも多少、リターンを期待できる程度か。

ゴールドマン・サックス社債/国際分散投資戦略ファンド


  • 年率のリスクを3%未満に抑える事を目標としている
  • リスクが低い事はすなわちリターンも低いという意味になる
  • 元本保証ではなく、投資家が損失を被る事もあり


 


毎月のように売りだされる商品に、一定の資金が集まっている状況


ゴールドマン・サックス社債/国際分散投資戦略ファンドの売れ行きが、なかなか良いようです。最近では、1か月毎にファンドを設定して販売しており、都度、相当程度の純資産が集まっています。

投資信託の名称 純資産総額
ゴールドマン・サックス社債/国際分散投資戦略ファンド2018-07 304億円
ゴールドマン・サックス社債/国際分散投資戦略ファンド2018-09(愛称:プライムOne2018-09) 823億円
ゴールドマン・サックス社債/国際分散投資戦略ファンド2018-10(愛称:プライムOne2018-10) 151億円
ゴールドマン・サックス社債/国際分散投資戦略ファンド2018-11(愛称:プライムOne2018-11 -


注目されるのは、とにかく「元本確保型」である事にフォーカスした販売戦略です。 「元本確保型」なる言葉を使うのは、とにかく貯金が大好きで「投資は怖い」と思っているような人たちの財布のひもを緩めてもらうためでしょう。

庶民の大好きな生命保険なども元本確保型の代表格のような商品であり、それと同列のイメージを醸し出す事で、投資に及び腰だった人々を引っ張り出す事に成功しているようです。



元本確保型と言っても元本保証ではないので、間違えない事


ゴールドマン・サックス社債/国際分散投資戦略ファンドは、円建てのゴールドマン・サックス社債に投資する部分については、債券への投資は満期まで保有すれば元本が戻ってきますから、確かに元本確保型と言えます。


社債部分への投資について


ただし、元本を確保するタイプだというだけで、元本保証ではありませんので、その点を間違わないようにして下さい。債券発行体が債務不履行、つまり倒産してしまった場合は、商品は紙くずになります。

ただ、債券の格付が高位の「A」ランクですし、その確率は極めて低そうです。このリスクは通常は考えないで良いレベルではありますが、リーマンショックのような金融危機が発生した場合には、「全く信用できない状態」に陥りますので、元本確保型と言えども元本保証ではなく、かなり低い確率ではありますが投資先の債券の価値がゼロになる可能性もある事だけは、頭に入れておきましょう。



全く儲からないというリスクがある


ゴールドマン・サックス社債/国際分散投資戦略ファンドの利益は、社債から得られる固定クーポン(債券の利金収益)と、国際分散投資戦略で得られる実績連動クーポン(株などの運用益)の2本立てとなります。

債券から得られる固定クーポン、つまり利金収益は、ファンドの信託報酬(税抜0.35%)として全て運営側が徴収するので、我々個人投資家は受け取れません。個人投資家が受け取れるのは、国際分散投資戦略で得られる実績連動クーポン(株などの運用益)だけとなります(赤枠)。

ゴールドマン・サックス社債/国際分散投資戦略ファンドの分配金


以下のように、ゴールドマン・サックス社債/国際分散投資戦略ファンドの収益源は、債券の固定クーポン(利金)と実績連動クーポン(運用益)の2本立てなのに、固定クーポンは基本報酬のコストで相殺されて消滅。仮に実績連動クーポンの収益が発生しても、10%近くの成功報酬が抜き取られてしまいます。

ゴールドマン・サックス社債/国際分散投資戦略ファンドのコスト体系


この実績連動クーポンは年1回分配金として受け取る訳ですが、運用が成功しないと利益が発生しません。つまり、分配金がゼロになる可能性があります。これが、ゴールドマン・サックス社債/国際分散投資戦略ファンドの全く儲からない可能性があるリスクとなります。

債券収入を全て抜き取られ、そして成功報酬を10%も抜き取られるのだから、もしも損失が発生したら運用会社が全て責任を取ってくれるのならば話は分かります。しかし、元本確保型と言いながらも、全く元本など確保できていない事は、チャートを見ると分かります。

ゴールドマン・サックス社債/国際分散投資戦略ファンドの基準価額


世界的に株価が急落した2018年10月に、基準価額が10000円を下回り、明確に元本割れとなっている事が分かります。結局は、世界の株価の動向次第ですから、元本確保型というネーミングに惑わされないようにしましょう。

目論見書にも、「運用の損益は全て投資家に帰属する、投資元本は保証されていない、基準価額の下落で損失を被ることがある」などと書いてありますね。成功報酬を抜き取りながら、このような責任回避をするのですから、腹立たしい気持ちになります。

元本割れするリスク


とは言え、元本確保型と謳っている以上、金融機関は基準価額の下落を極力回避しようとするでしょうから、積極的な運用はしないはずです。従って「低リスク=低リターン」となります。仮に利益が出たとしても、大したものにはならないであろうことも、頭に入れておきましょう。



国際分散投資戦略は、やはり「超低リスク超低リターン」の運用方針


社債の部分は全ての利益を運用側に取られるので無視するとして、ここでは「国際分散投資戦略」で行っている事をチェックしてみたいと思います。

目論見書をよく読んでみると、以下のように年率リスク(年間の価格のブレ)を3%以内に抑えるのが目標であると記してあります。これは、極めて低いリスクとなる事を宣言しており、当然ながらリスクの裏返しであるリターンも、極めて少ない事を意味します。

ゴールドマン・サックス社債/国際分散投資戦略ファンドのリスクを抑える運用


そして、そのリスク水準となるように、世界の株式と債券(日本株式、先進国株式、日本債券、先進国債券)の4つに分散投資します。このリスク水準からすると、かなりの部分が日本や先進国の国債に投資をする事になります。

ゴールドマン・サックス社債/国際分散投資戦略ファンドの国際分散投資部分のポートフォリオ


また、市況に応じて現金比率を高めたり、リスク資産である株式を増やす方針のようです。このような事をやる事で、市場平均よりも高いリターンを出そうとするのであれば、長期的にはそんな事は上手く行くはずが無いので「やめておけ」と言いたくなりますが、今回の運用は単にリスクを著しく低下させるだけですので、それならば一定程度の効果はあるかもしれません。何の根拠もない感想ですが。

国際分散投資戦略について


金融の世界では、リスクを取った者がハイリターンを得ますし、この投資信託のようにリスクが著しく低そうなものは、リターンも著しく低くなります。ローリスクでそこそこのリターンを狙おうと考えている人がいるとしたら、そんな美味しい話しは金融の世界では皆無であると覚えておいてください。

いずれにしろ、ポートフォリオの年率リスク水準、つまり価格の振れ幅を年率3%程度に抑える方針ですので、超安全志向の運用をするようです。

以下の国際分散投資戦略のシミュレーション結果をご覧ください。過去10年の年率リスク2.6%に対して、年率リターンは2.0%になっていますので、超保守的な運用をしていると思って良いでしょう。

ゴールドマン・サックス社債/国際分散投資戦略ファンドの過去のシミュレーション結果


超保守的な運用と言っても、別にそれが悪いという事ではありません。そのような運用がお好みの人にとっては、心地よく感じるかもしれません。下記は、上記のシミュレーションの年次のリターンの推移です。




過去10年間に損失を出しているのは、上の図の左から、リーマンショック、ギリシャショック、チャイナショックの年になります(赤枠)。あのリーマンショックで2.3%のマイナスしか出さないというのは、ローリスクローリターンの運用である事がよく分かります。

ただし、この点についても、運用会社がシミュレーションしただけの結果であり、運用実績ではない事はわきまえておきましょう。こういった都合の良いデータの通りになるとは限りません。話し半分程度に受け取っておくくらいがちょうど良いのではないかと思います。

なお、ゴールドマン・サックス社債/国際分散投資戦略ファンドと同様に、リターンを求めるよりもリスクを抑える運用を志向する非常に類似した投資信託としては、当サイトでも以下の2つをご紹介しています。これらと本ファンドの運用成績を比べてみます。

リスク抑制世界8資産バランスファンド(愛称:しあわせの一歩)
ニッセイ安定収益追求ファンド(愛称:みらいのミノリ)

低リスク運用の代表的な投資信託のリターンの比較
(今後、長期でこれらの投資信託のリターンの比較を行っていく予定です)


面白いことに、ゴールドマン・サックス社債/国際分散投資戦略ファンドの値動きが大きく見えてきます。リスクを抑える運用の投資信託はいくつか存在していますので、それらを比較検討して、ご自身に合いそうなものを選ぶと良いでしょう。



ゴールドマン・サックス社債/国際分散投資戦略ファンドのコストや基本情報


購入手数料上限1.5%(税抜き)
信託報酬:運用期間中の元本総額に対して年率0.35%(税抜き)
成功報酬額:ゴールドマン・サックス社債の実績連動クーポンに対して10%(税抜き)
信託財産留保額:0.3%
償還日:各ファンドの設定後、10年経過後に償還
運用:アセットマネジメントone株式会社


購入の際は、ネット証券のSBI証券楽天証券マネックス証券で購入すれば、税抜きの手数料は1%となります。とはいえ、平均で年率2%(それも金融機関が主張している数字に過ぎない)のリターンしか無い投資信託を買うのに、1%以上の手数料を取られたのでは、バカバカしくて呆れてしまいますね。


ゴールドマン・サックス社債/国際分散投資戦略ファンドの販売ターゲット


それにしても、上記は楽天証券での販売事例なのですが、まさしくこの投資信託を売ろうとしているターゲット層が明確に分かりますね。定期預金や国債のように安全性が高そうで、それでいて少しでも利益を確保したいという、とにかく「自己中」な人にピッタリの商品といえます・笑。


 



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