パインブリッジ日本住宅金融支援機構債ファンド(愛称:フラットさん)は敵

(2018年9月時点)

住宅ローンのフラット35は庶民の味方だが、このフラットさん(パインブリッジ日本住宅金融支援機構債ファンド)は庶民の敵だ。債券利回りより信託報酬が高いという訳の分からない投資信託であり、長期の運用で結果を残せる気がしない。当然ながら参考指数に劣る成果しか出せておらず、分配金の出し方も過剰であり、利用価値の著しく低い投資信託だと言える。

パインブリッジ日本住宅金融支援機構債ファンド(愛称:フラットさん)


  • 投資先の格付けや信頼性は全く問題無し
  • 従って、債券の利回りは非常に低いことを認識すべし
  • 利回りを全て台無しにするような高コストが投資信託の成績を蝕んでいる
  • 年に2階の分配金は、恐らくそのほとんどが投資元本の強制払い戻し


 


債券としての信頼性だけは、高く評価したい


パインブリッジ日本住宅金融支援機構債ファンド(愛称:フラットさん)は、独立行政法人住宅金融支援機構が発行する貸付債権担保住宅金融支援機構債券に投資します。非常に難しい用語のため、理解に苦しみますね。

簡単に言うと、政府が100%出資した住宅金融支援機構が民間の金融機関から住宅ローンの債権を買い取り、それらの資産を担保に機構債を発行します。この機構債が投資対象となります。

日本住宅金融支援機構の機構債とは


住宅金融支援機構は、住宅ローンのフラット35で一般市民のマイホーム購入を支援しているので、家を買った事がある人ならば、聞いた事があるかもしれません。政府が100%出資する法人ですから、発行元としての安心感はピカイチですね。

そしてパインブリッジ日本住宅金融支援機構債ファンド(愛称:フラットさん)は、この住宅金融支援機構が発行した機構債の中から、日本国債と同等以上の格付の債券に投資します。投資先の機構債の多くは、最高ランクのAAA格付ですから、極めて安全性の高い投資だと思います。

機構債の格付け


なお、2007年頃から世界中を騒がせたサブプライムローンは、低所得層向けの住宅ローンをパックにしていました。あのようなジャンク債に比べると、パインブリッジ日本住宅金融支援機構債ファンドの投資先が輝いて見えます。本来、債券投資は安全な運用が肝となりますから、この点は非常に良いですね。



この投資信託の利回りに関しては、素朴ながら重大な疑問が有る


安全な投資先は利回りが低いのが資産運用の常識


しかしながら、リスクの低い投資は、リターンが下がります。これは資産運用の常識です。今回の投資先の機構債の格付けは、全て最高ランクのAAAですから、債券の最終利回りは0.3~0.4%と、低くなります。

パインブリッジ日本住宅金融支援機構債ファンド(愛称:フラットさん)の組み入れ上位銘柄と利回り


合計で29銘柄の機構債に投資して、平均最終利回りは0.37%になりです。気交際は最も安全な債券の部類に入るので、利回り水準は妥当だと思いますし、この程度なのだなと覚えておきましょう。

パインブリッジ日本住宅金融支援機構債ファンド(愛称:フラットさん)のポートフォリオ特性値



利回り以上のコストがかかる点が疑問


パインブリッジ日本住宅金融支援機構債ファンド(愛称:フラットさん)は、極めて投資先の安全性が高いですし、債券投資としては問題ありません。

しかし、この投資信託の運用コストである信託報酬を見て、かなり驚きました。というのも、債券の最終利回りが0.37%しか無いのに、信託報酬が税引で0.67%もかかるのです。

と言う事は、投資先の利回り以上に、金融機関が抜き取るコストの方が多大だという事になり、いったい何のためにこのパインブリッジ日本住宅金融支援機構債ファンド(愛称:フラットさん)に投資をしているのか、全く意味が分かりません。



債券の利回り以上に分配金を出しているのも疑問


更に、分配金利回りが債券の利回りよりも高い点も、おかしいと思います。債券の最終利回りが0.37%しか無いのに、投資信託としての分配金利回りが約2倍の0.79%になっています。

パインブリッジ日本住宅金融支援機構債ファンド(愛称:フラットさん)の分配金利回り


今回のように、分配金利回りに疑問があった場合、運用報告書に記載されている「分配原資の内訳」をチェックしましょう。普通の人は見る機会が少ないと思いますが、金融機関で推奨された投資信託を保有しているならば、確認した方が良いですね。

パインブリッジ日本住宅金融支援機構債ファンドの第12期(半年間)の当期の収益(これが主に債券からの利金収入)は、驚くことに分配金の3割しかカバーできていません。

と言う事は、何も無いところから、まるで打出の小槌を振るが如くにお金が湧いて出てくる事などありませんから、補えない分配金は、あなたの大切な投資原資から取り崩している可能性が高いのです。

パインブリッジ日本住宅金融支援機構債ファンド(愛称:フラットさん)の分配原資の内訳


年に2回、分配金が指定口座に振り込まれ、これらの不労所得にニコニコ顔かもしれませんが、内実は、その7割ほどがあなたご自身の投資原資なのかもしれません。お手元に分配金の明細を置いて、今一度、分配金が普通分配金なのか特別分配金(元本払戻金)なのか、確認してみる事をお勧めします。

元本払戻金の割合が多いものなど、投資する価値は皆無に等しく、そんなものを保有していても何の意味もありませんから、即刻売り払って、投資に値するものに切り替えたほうが良いでしょう。



肝心の「新興国債券に投資する部分」の運用成績が悪すぎてダメだ


ところで、パインブリッジ日本住宅金融支援機構債ファンドには、参考指数として設定されたNomura-BPI MBS指数(利子込み)に惨敗する致命的な問題があります。

パインブリッジ日本住宅金融支援機構債ファンド(愛称:フラットさん)の基準価額と参考指数とのリターン比較


過去5年で参考指数に勝ったのは、2016年のたった1回です。アクティブ運用ですから、これは許されません。既に書いたように、コストが高すぎて、とうてい、長期的に参考指数に勝てるような気がしてきません。

これならば、最初からインデックス運用の投資信託を保有した方が報われたはずです。若干、ベンチマークが異なりますが、奇をてらわずに、例えばNOMURA-BPI総合指数に連動する<購入・換金手数料なし>ニッセイ国内債券インデックスファンドを普通に買っていたほうが、はるかに良い結果になりました。

パインブリッジ日本住宅金融支援機構債ファンド(愛称:フラットさん)と国内債券インデックスファンドとのリターン比較


過去3年で、2倍ほども運用成績に差が付いています。ニッセイのインデックスファンドの信託報酬はたったの0.139%ですから、コストが4分の1にまで減りりますので、長期保有すれば、運用成績の差はさらに大きくなるはずです。

パインブリッジ日本住宅金融支援機構債ファンド(愛称:フラットさん)は、日興証券の販売窓口で売れている人気商品のようですが、金融関係者に推奨されたものを安易に購入してはいけません。そもそも、あなたが日本住宅金融支援機構の機構債に敢えて投資をする意味など、普通に考えれば特に無いはずです。

営業マンが不自然なほど熱心に推奨するのには、裏があるものです。金融機関側が一方的にリスク無しに儲かるような商品ばかりです。高額なコストをひたすら金融機関に吸い取られて、金融機関のカモになってしまわない為にも、最低限の投資の基礎知識は必要ですね。



パインブリッジ日本住宅金融支援機構債ファンド(愛称:フラットさん)の情報


購入手数料上限1.5%(税抜き)
信託報酬年率0.67%(税抜き)
信託財産留保額:なし
決算:年2回決算(3・9月の各15日) ・・・半年に1度、分配金を出しています。
償還日:2022年4月25日(2012年4月23日)
運用:パインブリッジ・インベストメンツ株式会社


なお、この投資信託はSMBC日興証券マネックス証券であれば、無料で購入可能です。しかし、本ページで書いたように、特に個人投資家にとって良好な投資信託とは言い難いと思います。それでもどうしてもと言う場合には、せめて購入手数料は無しで買い付けるようにしたいものです。


 



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