基準価額が下がる一方の毎月分配型投資信託の取り扱いについて

●投稿者:シュウさま(年代不明・男性)2018年9月

初めましてこんばんは。日々管理人さまのHPを参考に勉強しております。早速ですが、今回親の信託を相続する事となりました。それまで信託とは無縁でしたので現在は投資初心者です。

親の購入していた信託がアクティブファンドを含めた高コストの信託です。色々と調べたり勉強しておりますが今すぐ手当した方が良いのではと思いご相談させて頂きます。

(購入信託名・保有金額・分配状況)

UBS世界公共インフラ債券投信 円コース 毎月 80万 特別分配金
・マイ・ロード 150万
・野村グローバルREITプレミアム(通貨セレクトコース)毎月 450万 特別分配金
・野村高配当インフラ関連株プレミアム(円コース)毎月 100万 普通分配金
・野村高配当インフラ関連株プレミアム(通貨セレクト)毎月 110万 特別分配金・普通分配金
野村日本高配当株プレミアム(通貨セレクトコース)毎月分配型 55万 特別分配金


分配金は全て再投資となっております。信託報酬も高額、特別分配の資産減で基準価格が下がる一方の様です。マイロード以外直ぐにでも売却した方が良いのでしょうか?

売却しない場合でも再投資は基準価格が下がる一方なので現金でもらう方が宜しいでしょうか?勉強してじっくり検討している間に大きく損失する可能性があれば売却を検討したいと思います。宜しくお願いいたします。



 

回答:ダメな商品を手元に置いておくという判断は、どんな分野でも無し

シュウさま、この度は当サイトまでご質問をいただき、ありがとうございました。相続の手続等、色々と大変だとは思いますが、頑張っていただければと思います。

それぞれの投資信託は、野村證券から購入したのではないでしょうか。彼らは業界最大手にも関わらず、ひたすらボッタクリ商品を売りまくっており、不誠実な企業です。買う側に知識が無いのも問題とは言え、本当にお気の毒だと思います。本件、以下の通り回答いたしますので、どうぞご覧下さい。

親からの相続



相続の前か後かの判断はあるが、基本的には売却して撤収が唯一の正解


投資信託を相続する場合、親御様が取得した時の価格ではなくて、相続時の価格になると思います。従って、過去の基準価額の下落は関係は無くなる訳ですが、問題は、この下落が止まるのか継続するのかです。

これについては、過去に、数多くの毎月分配型投資信託を眺めてきた管理人からアドバイスさせていただくと、ボッタクリ商品とも言えるような毎月分配型投資信託については、その大半は特別分配金であり、投資元本を削って運用をする訳ですから、基準価額が上がる可能性よりも下がる可能性の方がはるかに高いです

そもそも、勝手に虎の子の投資元本を削り取って特別分配金などと称して、あたかも利益かのように分配金を出すような、そんな不誠実な投資信託など、決して買ってはなりません。

なおかつ、今回の投資信託の大半が、通貨選択型と呼ばれる、複雑怪奇な商品ばかりです。買う側だけでなく、販売員も正確には中身を理解できていないと思われるような酷い商品のオンパレードです。

通貨選択型の理解不能さは、野村日本高配当株プレミアムのページを読んで頂ければ分かると思いますので、本ページを読み進める前にご覧ください。

最も買ってはならないタイプの投資信託が手元にあるという事は、すなわちそれは投資の失敗を意味します。投資では失敗を引きずると余計に傷口が広がりますので、損した得したという観点ではなく、間違った進路を正しい方向に修正するという感覚で、全売却して撤収するのが唯一の選択肢だと考えます。

売って現金化して、その後に投資の勉強をすれば良いだけです。一通りの知識を付けたら、今度は正しい商品で正しい投資を志向すれば良いだけになります。投資先は何が有っても決して逃げる事は無いのですから、焦る事は全くありません。

なお、投資信託として相続するか、現金化したものを相続するのかは、税理士の指示を仰いでください。税務に関しては素人の考えの及ばない問題が有ったりしますので、当サイトでは回答ができません。



2018年時点での運用成績を再確認


では、個別具体的に、2018年現在の、それぞれの投資信託の運用成績を確認してみましょう。上の項では観念的なお話しをしておりますので、イマイチ、売却の決断がしにくいかもしれません。

しかし、本項を見て頂くと、「こんなもん持っているだけ無駄だわ」と、直感的に理解できると思います。(グラフの基準価額は、分配金を全て再投資したと仮定した場合のものになります)


UBS世界公共インフラ債券投信円コース・・・ダメ


円コースは、為替ヘッジを付けたタイプになります。説明は省略しますが、為替ヘッジありの先進国債券と、日本国債の長期的なリターンは似たような傾向に収まってきます。

UBS世界公共インフラ債券投信円コース

⇒参考:SMT 国内債券インデックス・オープン
⇒参考:SMT グローバル債券インデックス・オープン(為替ヘッジあり)


過去3年のリターンを見ると、何のために猛烈な高コストを支払ってUBS世界公共インフラ債券投信円コースに投資しているのか、サッパリ分からないような、アクティブ運用の投資信託としては失格の成績です。

なお、分配金再投資という意味ですが、お便りには「特別分配金」とか「普通分配金」とか記しております。もしかして、分配金を受け取った後にもう一度同じ投資信託を買い付けている、という意味でしょうか。

もしもそういう意味で書かれているならば、普通分配金の部分には税金がかかりますし、その都度、野村に高額の購入手数料を支払って追加購入している事になる訳で、直ちに中止すべきでしょう。


マイ・ロード・・・妥協案として、少しの間持っていてもOK


バランス型投資信託です。国内債券に6割強、先進国債券に2割強、残りを国内株、先進国株、先進国リートにわずかずつ投資する、安全性を重視した内容です。投資先は全てインデックスファンドなのに、全体としてはベンチマークを設定しないという欠陥がある。このため、運用が市場平均に連動しているのかどうか、投資家はチェックする事が出来ません。

とはいえ、その他の超ハイリスク、あるいはボッタクリ商品に比べると安全性が高く、信託報酬も1%ほどなので、良いものに見えてしまいます。全ファンドを解約するとなると、野村證券が異様に抵抗をしてくるかもしれないので、その場合は、これだけをとりあえず残すというのはアリかもしれません。

とりあえず残して、数か月後にこれも売却して、もっとはるかに低コストで良質な投資信託に乗り換えるのがベターでしょう。



野村グローバルREITプレミアム(通貨セレクトコース)・・・ぜんぜんダメ


こちらも、アクティブ運用なのにインデックスファンドに大きく負けてしまっている投資信託です。当然、高いコストを支払ってまで運用を託すような価値はありません。

野村グローバルREITプレミアム(通貨セレクトコース)

⇒参考:SMT グローバルREITインデックス・オープン


なお、上記のように直近3ヵ年で比べると、インデックスファンドの勝ち方が「少しだけ」に見えるかもしれませんが、実際は7%程度の差異になりますから、かなりの差が付いています。

また、過去5年の年率換算では、野村が4.75%なのに対してSMTが8.74%とダブルスコアになっていて、泣きたくなるようなダメ投信であると言えます。


野村高配当インフラ関連株プレミアム(円コース)(通貨セレクト)・・・ぜんぜんダメ


これまたベンチマークなどが無く、運用が良いのか悪いのか、投資家は判断不能である点で欠陥品です。ただでさえ理解不能なレベルの複雑な商品なのに、投資先にMLPを入れ込むような事をしており、この商品をきちんと理解している人は、ほとんどいないのではないでしょうか。

野村高配当インフラ関連株プレミアム(円コース)(通貨セレクト)

⇒参考:SMT グローバル株式インデックス・オープン


投資先が、先進国の株が8割ほどで、残りがMLPと言う事ですから、ここでは「素直に先進国株式に分散投資をしていれば良いのでは?」という視点で比較してみると、この投資信託がボロクソレベルのダメ投信である事がよく分かります。


野村日本高配当株プレミアム(通貨セレクトコース)・・・ぜんぜんダメ


こちらも、どうしようもないレベルですね。20%ほどのリターンの差が付いています。と言う事は、もしも1000万円を投資していたら、普通にTOPIXインデックスファンドを買っていた人よりも、200万円もの利益が少なかったわけで、一体何のために、こんなダメ投信を野村證券に多額の手数料を支払ってまで買っているのか、全く意味不明である事になります。

野村日本高配当株プレミアム(通貨セレクトコース)

⇒参考:SMT TOPIXインデックス・オープン


参考として取り上げたSMTインデックスファンドに関する注意点


なお、本ページでは、比較するインデックスファンドとして、SMTインデックスファンドシリーズを取り上げています。これは、過去の運用期間が長いためという一点で、取り上げております。

実際にインデックスファンドに投資する場合は、今ならばSMTよりも更にコストが半額以下になる、eMAXIS Slimインデックスシリーズを利用すると良いでしょう。

信じられないほどの低コストであり、そのコストを見てから既述の投資信託を見てみると、金融機関が一方的に儲かる、その高コストぶりに目を丸くしてしまいます。



再掲、結論は直ちに売却(損したか得したかは不問)、そして勉強ですね


それにしても、今回の「損切りしても良いかどうか」という質問に関しては、これほど回答が明確なものは有りません。誰がどう見ても、損切りして直ちに投資を取りやめとしか思えないからです。投資の前提が崩れた場合には、理屈からしたら投資を取りやめる事以外に選択肢はありません。

そして、損切りというのは、損切りしないタイプの投資以外では、やって当たり前の行動です。「損切りが嫌だ」という人は、そもそも投資をしてはいけません。

本来、分配金を目当てにした投資は、「損切りしない投資」の1つではあります。しかし、損切りしない投資には、それに相応しい投資信託や株式の銘柄があります。

そういった投資信託などは、価格がいくら変動しようとも一生涯の長期保有で、損切りも利確もしません。今回のような投資信託を選ぶのは、「損切りしない投資」以前の問題なのです。

いくら保有し続けたとしても、タコ足分配なのであれば今後もひたすら基準価額は下がっていくだけであり、損切りをしないでいると余計に損失が拡大します。

もちろん相場次第であり、もしも今からぶっ飛んで相場が絶好調に回復したら話は別ですが、そんな事は単なる運任せ風任せえすから、淡々と損切りしてしっかり勉強して、次回の投資に回すお金をしっかりと確保しておくことが最も大切だと思います。


 

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