運用が好調なロボット・テクノロジー関連株ファンド(愛称:ロボテック)

(2018年9月時点)

地方銀行や小規模な証券会社、ネット証券を含めて、全国で幅広く売られており、純資産総額が4500億円前後に達している非常に人気のある投資信託。典型的なテーマ型投資信託にこのような大量の資金が集まる事に対して、相場の過熱感を感じる。テーマ型投信はタイミングが命なので、どこで利益確定をするのか、常に自問自答しながら投資して欲しい。

ロボット・テクノロジー関連株ファンド(愛称:ロボテック)


  • 参考指数を大きく上回るリターンを計上
  • 客寄せで利用するロボット指数がベンチマークではない不思議
  • コストが恐ろしく高く、長期保有向けではない
  • 値動きを見ていると、米国株に連動すると判断できる


 


年1回決算型や為替ヘッジありタイプも含めて、4つの「ロボテック」を評価


ロボット・テクノロジー関連株ファンド(愛称:ロボテック)の販売に使われている資料に、「ロボット=鉄腕アトム」を持ち出すあたりから、マーケティング的にターゲットとしている年齢層が伺えます。

すでに4000億円以上の資金が集まっていますので、証券会社の思惑通り、お金を貯めこんでいる高年齢層を中心に、投資のイロハを知らない人たちが買わされているのかもしれません。

設定直後は一瞬で200億円の資金が集り、大和証券のランキングにも顔を出す人気ファンドでした。本当に、個人投資家が報われるのか、以下の4コースの中身を見て参ります。

ファンド名称 愛称 純資産
ロボット・テクノロジー関連株ファンド ロボテック 3978億円
ロボット・テクノロジー関連株ファンド(年1回決算型) ロボテック(年1回) 192億円
ロボット・テクノロジー関連株ファンド(為替ヘッジあり) ロボテック(為替ヘッジあり) 213億円
ロボット・テクノロジー関連株ファンド(年1回決算型) ロボテック(年1回)(為替ヘッジあり) 46億円
・年1回決算型は無分配再投資型で、表示が無いものは、年に2回、分配金が出るタイプです。このあたりが非常にややこしいですね。


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実は、株式市場の平均点よりも優れた運用成績だった


ロボット・テクノロジー関連株ファンド(愛称:ロボテック)は、証券会社としても非常に売りたがっている商品のようで、目論見書の他に、気合いの入った販売資料が用意されています。

しかし、そんなものはさらっと目を通すくらいで良いでしょう。世界中の投資家全員にとっての周知の事実を知ったところで、この投資信託が優れているのかダメな商品なのかは、全く判断が付きません。

問題は、ロボット・テクノロジー関連への集中投資が報われるのかどうかです。このテーマで投資する場合に、どれだけの収益を上げられるのかの指針がなくてはならない、という事になりましょう。

その指針になるのが、ベンチマークや参考指数です。分かりやすく言うと、運用目標といっても良いですね。 ロボット・テクノロジー関連株ファンド(愛称:ロボテック)では、以下の参考指数を設定しています。

為替ヘッジなしコース:MSCI AC Word指数(配当込み、円換算)
為替ヘッジありコース:MSCI AC Word指数(配当込み、米ドルベース)


MSCI AC Word指数など書かれてもピンとこないでしょうから、リンク先、MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスのページもご覧ください。一言で言うと、日本を含む先進国23ヵ国と新興国の24ヵ国、合計47ヵ国の株式市場の値動きを表す、全世界株式指数です。

この参考指数に対して、ロボット・テクノロジー関連株ファンド(愛称:ロボテック)の運用成績が良いのか悪いのかをチェックする事が容易にできます。特定のテーマに集中投資する投資信託の運用成績が、広く分散された全世界株式指数に対して、勝利できるのかを見る訳です。以下、結果をご覧ください。



為替ヘッジなしコース


最初に、純資産総額の多い、為替ヘッジなしコースから見て行きます。年1回決算型を最初に確認すると、明らかに参考指数よりも優れたリターンを上げている事が分かります。

ロボット・テクノロジー関連株ファンド(年1回決算型)のリターンと参考指数の対比


続いて、「通常タイプ」とでも言いましょうか、最も売れている年2回、分配金の出るコースです。分配金を再投資したと仮定した基準価額が、参考指数よりも大きく上振れています。

ロボット・テクノロジー関連株ファンドのリターンと参考指数の対比


為替ヘッジありコース


続いて、為替ヘッジありのコースです。参考指数よりも高いリターンを出していますね。

ロボット・テクノロジー関連株ファンド(年1回決算型・為替ヘッジあり)のリターンと参考指数の対比


年に2回の分配金があるコースでも、やはり同様に優秀な成績である事が分かります。

ロボット・テクノロジー関連株ファンド(為替ヘッジあり)のリターンと参考指数の対比


世界中の株式に分散投資するよりも、ロボット・テクノロジー関連株ファンドで運用したほうが儲かったという意味ですから、ロボット分野をテーマに選んだ事が成功したと言えます。これは、素直に評価したいところです。



ただし、なぜロボット指数をベンチマークとしないのか疑問


上記で、参考指数であるMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスに大きく勝利しているので、評価できる旨を記させていただきました。

しかし、販売資料を見ると、以下のような「ロボット指数」を持ち出してきて、世界株式よりもはるかにリターンが高いなどと説明しています。

ロボット指数の価格の推移


当サイト管理人などは、「だったら何故、ロボット指数をベンチマークにしないのか?」と、非常に素朴かつ強い疑問を感じます。それと比較して、初めてロボット・テクノロジー関連株ファンド(愛称:ロボテック)の運用が上手く行っているのか否かが分かるというものです。

上記のようなグラフは、起点をどこに持ってくるかで大きく結果が変わります。ベンチマークにして頂かない限り、こんなグラフは何の意味も持ちません。



テーマ型の投資信託は、タイミングが重要


直近の3年弱の運用成績と参考指数との対比を、もう一度見てみます。確かにロボット・テクノロジー関連株ファンド(愛称:ロボテック)のリターンは良好ですので、とりあえずは良しとしましょう。

ロボット・テクノロジー関連株ファンド(愛称:ロボテック)とMSCIオールカントリーワールドインデックスとのリターン比較


しかし、リターンにばかり目が行きますが、リスクについても、よく頭に入れておいてほしいと思います。全世界株よりもかなり上振れしたリターンがあるという事は、成績が良くて、いつもぶっ飛んで上に行くという意味ではありません

これは、相場が逆回転した場合には、全世界株をはるかに下回るほどの下落があり得るという意味に捉えるべきところです。つまり、全世界株に投資するよりも、リスクが非常に高いという事になります。

テーマを絞って、分散投資ではなくて集中投資するのですから、それは当然ですよね。今のリターンを素直に喜びつつ、万が一の事態への備えも、しっかりと考えておいた方が良いでしょう。

しかも、ロボット・テクノロジー関連株ファンド(愛称:ロボテック)を買った人の多くが、銀行や証券会社の営業マンに強く勧められて購入している筈ですから、集中投資の難しさなど分かっていない筈です。

どこで利益確定をするのか、そしてその利確のルールをどう設定するのか、全く何も考えていないかもしれません。あるいは、営業マンに全部お任せという人もいるかもしれません。

今のうちから、利確タイミングはしっかりと考えておく事を強くお勧めします。高値掴みしている人は、場合によっては損切りのタイミングも考えておいた方が良いでしょう。テーマ型投資信託は、どこで投資を止めるのかが、分散投資よりもはるかに重要で難しいのです。

基本的には、ご自身でテーマとしての当たり外れを読むことができて、さらにはエントリーとイグジットタイミングを計る事のできる投資家ならば、買ってみても良いかもしれません。



ロボット・テクノロジー関連株ファンド(愛称:ロボテック)のコスト


購入手数料上限3.0%(税抜き)
信託報酬年率1.65%(税抜き)
信託財産留保額:なし
償還日:2025年9月12日(設定日・2016年2月8日)
運用:大和証券投資信託委託株式会社


コストについては、ベラボウに高いと言って良いでしょう。ネット証券のSBI証券楽天証券で購入しても、3%の手数料をきっちりと徴収されてしまいます。運用する前から資産を3%減らされるのは痛いです。

また、年率1.65%の信託報酬は、例えば信託期間の約10年間の投資を行った場合は、投資元本の16.5%もの大きな金額が、金融機関の懐に転がり込む勘定です。

このコストが、常に運用リターンを強力に下方向に下げる圧力となりますので、本来、高コストの投資信託は選ぶべきではないのです。



ロボット・テクノロジー関連株ファンドよりもリターンの高い分散投資先


ところで、ロボット・テクノロジー関連株ファンド(愛称:ロボテック)のリターンは圧倒的で、他に選択肢が無いほど凄いと思っている人もいるかもしれませんね。

しかし、米国株とほとんど類似した値動きになっているのが実態です。3年で見ると、ナスダック市場(ナスダック100指数)に連動するETF、NEXT FUNDS NASDAQ-100R連動型上場投信のほうがリターンが高いです。

また、ニューヨークのダウ平均株価ともかなり近いリターンとなっているのが、NEXT FUNDS ダウ・ジョーンズ工業株30種平均株価連動型上場投信との対比で分かります。

ロボット・テクノロジー関連株ファンド(愛称:ロボテック)と米国市場のリターンを比較


とは言っても、直近1年で見ると、ナスダックやダウ平均、更には米国株全体を示すS&P500指数に対しても、かなり「置いてけぼり」を食っている状況になっています。

テーマ型投資信託には、「旬」の時期があります。今のような旬がいつまで続くのかさっぱり分からないロボット・テクノロジー関連株ファンド(愛称:ロボテック)よりも、米国株に特化するという意味では同じく集中投資であるものの、流行り廃りのない米国株に投資し続けるほうが、一般人にとってははるかに有意義な投資になるのではないかと思います

それらに対して、株のような売買が必要なETFではなくて一般の投資信託で買い付けをする場合には、今では手数料が無料で、信託報酬もはるかに低い、以下のようなものが登場していますので、こういったものを検討されてみてはいかがでしょうか。

iFreeNEXT NASDAQ100 インデックス(0.375%)
iFree NYダウ・インデックス(同0.225%)
たわらノーロード NYダウ(同0.225%)


 



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